茂庭議員の連合問題に関する〔不穏当発言〕について、議会は最終日の3/14《茂庭忠雄議員に陳謝を求める決議》を賛成多数で可決した。
議案に対する取扱いや賛否を巡り、終盤で二転三転しモメにモメた上での議決。
一般質問において〔正義の味方〕を自認され、一部議員を〔悪代官〕呼ばわりされた茂庭議員の質疑内容に関してだ。
聞き捨てならない話しだったし、許容の限度を越える。
〔悪代官〕のタクラミに乗ってしまった我々議会は、大馬鹿者と言う御指摘に聞こえた。
言い掛かりをつけられて、そう簡単に収まる訳は無かったが しかし議会が本来、戦わすべき政策論争からは掛け離れた低次元の問題。
それだけに、後々に尾をひく事も間違いない。
一昨年からの〔連合不正問題〕の経過と可決までのテンマツを簡単に説明しておきたい。
とは言え、チョッと長くなるかもしれないが…
結論から、申し上げるならば限度を遥かに越えた〔誹謗中傷〕で、名誉毀損にも相当する赦しがたい行為と考えているので、今回の議会の判断は妥当なものだったと思っている。
物事に対し、人それぞれに考え方・意見はあって当然だ。
議会に席を置く以上、議員が個々の案件に対し一定の考えを持つのは最低限の条件と思うし、議会議論の前提である。
大いに尊重もするし、いくらでも話しは伺う。
しかしながら、この類いが〔言論の自由〕の範囲となれば、いささか次元が違って来るのではないか。
言う所の、常識を疑う暴言だ。
議員は、みずからの発言に責任を持つ立場。
故に、イザと言う時は覚悟をして発言をするものだ。
今定例会の本筋から外れて咲いたアダ花で、恥ずかしい問題。
議会が、こういった問題に時間を割くのは無駄だと思うが、出て来たんだから仕方が無い。
ケリをつけるまでの話し。
はからずも、日高町議会の現状が垣間見えた問題。
…事の経過。
3/7 定例会、一般質問での茂庭議員の発言内容が発端。
一昨年11月の決算議会で、町と旧門別連合との間での長年に渡った補助金の不正な支給・受給の問題が表面化した。
町と連合との悪しき慣習による、日高町補助金交付規則違反の問題である。
当時、町は独自の判断で関係職員の※懲戒処分を12月に決め、年明けに連合に対して補助金の返還を求めた。
※私を含む2名の議員は、まだ事実関係が明らかでは無い中での処分・幕引は早過ぎるとして処分案に反対した経緯がある。
あの時点で、町が年内決着をしようとした判断が混乱の一つの遠因に成ったと思っている※
更に2月になって、町は関係者2名を詐欺罪で刑事告訴をした。
悪しき慣習は刑事事件に発展した。
議会は昨年1月、調査特別委員会を設置して事実関係の解明と交付規則の見直し改善・執行事務の適正化などをまとめ、当時の門別連合に対しても補助金の返還はもとより違約金の支払い要求も行うよう町に求めた。
そして昨年12月に告訴の結果、検察から〔起訴猶予〕の処分が下された。
おかれた状況から、詐欺罪での刑罰には処さないが〔不正の事実関係は認めた〕と言う事だろう。
茂庭議員の一般質問での主張は要約すると、議会の要職にある一部議員の策動で議会と町長が踊らされ、はたまた警察署長まで荷担して刑事事件にデッチ上げ、連合をオトシメタかの様な言い分。
一方的に連合を悪者扱いするのは作為的で片手落ちだとの主張のようだ。
その上で、告訴された2名の名誉回復はどうするのか、 常識ある町民は事態の成り行きを心配していると言った様な論調だったと記憶する。
茂庭議員の質問終了時に、「不穏当な発言であり、対応を協議するよう求める」動議を提出し、賛成多数で可決された。
3/7 本会議終了後、議運を開いて議事録精査を3/12 に行い、取扱いを協議する決定をした。
そして精査の結果、約10ヶ所を不穏当発言と特定。
どう対処すべきか様々な議論はあったが、御本人が〔自主的〕に該当部分の取り消しと謝罪を行うよう茂庭議員に求める決定をし、3/13 に議長から本人に伝えた。
議運の極めて〔穏当〕な判断だ、…にもかかわらず返答は「事実を述べ認識している事を話したまでで削除にも応じず、撤回も謝罪もしない」と言った内容だったと報告があった。
これを受けて議運は、〔議長の職権〕で不穏当発言部分の削除を命じ、茂庭議員に対し〔陳謝を求める決議〕案を本会議に提出する決定をした。
議会としての、最低限のケジメだとの判断だ。
3/14 この方針を全員に協議会で伝えた。
当然の如く協議会では激論に成って、本会議再開はズレ込んで行った。
この間、議運・協議会・本会議・暫時休憩を繰り返した。
状況は二転三転、四転だ。
議運の方針に「そこまでしなくても…」、異をとなえる声や茂庭議員を擁護する意見も当然あったし、御本人に謝罪を進める方々や御本人の立場を由とする議員など、水面下での動きは活発に見てとれた。
しかし、何があろうとも御本人に謝罪の意思が無い以上、〔決議案の提出〕に揺るぎは無い。
そして、再度の本会議再開の直前に成って、また議運を開くという連絡だ。
またまた、議運。
取扱いの協議だ。
そこで私は驚いた。
いや、ホントに驚いた。
この土壇場にきて「謝罪したい」旨の申し入れがあったのだと言う。
周囲の説得の結果なのか判らないが…
「チョッと待って欲しい、この場に及んで見苦しいではないか」私は、正直そう思った。
マサカ!である。
議運の協議では、「これ以上モメてはいけない、謝罪の意向を受け入れるべきだ」とする空気も一部にあった。
しかしながら、議運の大勢は「今更、謝罪すると言われても…大人気ない」「すでに時期を逸している」との判断。
当然だろう。
全員協議会に、「今の時点での謝罪申し入れは聞かれず、予定通り決議案を提出する」旨の最終結論を伝えた。
騒然としたヤリトリと成ったが、致し方無い。
再開後、発議による議案の提出は僅差で可決。
続く決議案は何故か、それ以上の差で可決された。
繰り返すが、どの様な考えであっても個々の主張は尊重するし、尊重される。
しかしながら、伴なう発言の誹謗中傷は断じて許されない。
どなたかが、処理を巡る議論の時「言論の自由ではないか」とおっしゃったが、バカを言ってはいけない。
〔暴言の自由〕は許されない。
決議案に対する質疑と反対討論の中で、「議員が議員を裁いてはいけない」とも発言があった。
見当違いではないのか。
こんな暴言を許して、放ったらかしにする議会の感覚が、笑いの対象になる。
苦笑いでやり過ごす、その限度を越えるのだ。
誤解を恐れず言わせていただけば 万事、小異にコダワルと言う意味ではないが大原則がある…《ケンカは売らずとも、売られたら買う》のは基本であり、鉄則だ。
この問題に対する議会の反応は、正に現状を写す鏡だったと思う。
…と言うか、対応策を考える中で今後の教訓とすべき事が数々あったし、イイ勉強になった。
何事も、モメると馬脚が現われる。
自重しなければと反省をした。
ちなみに、程度のホドがバレてしまうから、足モトを見られる様なケンカは好みではない。